Microsoft は、Windows 11 の次期大型アップデート「バージョン 25H2(2025 Update)」を公開した。既存の 24H2 をベースとしたマイナーアップデートとなっており、有効化パッケージ(Enablement Package)形式で提供されるため、インストール時間が短縮されている。
24H2 との関係とアップデート方式
25H2 は 24H2 と同一のソースコード基盤を共有し、両者は同じサービスブランチ上で管理される。24H2 を利用中のデバイスでは必要なコンポーネントが既に導入済みで、Enablement Package によって機能が有効化される仕組みだ。このため、大規模な再インストールなしで 25H2 へ移行できる。
一方、23H2 以前から直接アップグレードする場合は、ISO イメージや通常の機能更新プロセスを用いた再インストールが必要となる。
追加された機能と変更点
今回のアップデートは新機能よりも安定性重視の内容だが、いくつかの機能変更が含まれている。PowerShell 2.0 と WMIC の削除、企業向けの Microsoft Store アプリ事前インストール制御ポリシー、Wi-Fi 7 対応、AI を活用した Windows Studio Effects などが挙げられる。さらに、Copilot+ PC 向けには 44 言語の音声を英語に変換できる Live Captions 機能が追加された。
配信状況と提供方法
25H2 は段階的に対象デバイスへ展開されており、「最新のアップデートをすぐに受け取る」設定を有効にしている端末から優先的に配布される。Microsoft は互換性に問題がある場合、特定のデバイスへの展開を一時的に制限することもある。
また、クリーンインストール用の ISO イメージも提供が始まっており、テストや再構築を目的とした利用も可能となっている。
注意点と展望
25H2 は 24H2 と比べて大きな体感差は少ないが、長期サポートの観点では重要なアップデートとなる。特に Wi-Fi 7 や AI 機能を含む調整は将来的な標準化を見据えた布石といえる。互換性や安定性の面で大きな問題は報告されていないが、導入前にはドライバーや業務アプリケーションとの動作確認が推奨される。