Samsung は、自社製の次期モバイル SoC「Exynos 2600」の試作量産(プロトタイプ量産)を既に開始しているとの報道が相次いでいる。製造プロセスには 2nm GAA(Gate-All-Around)技術が採用されており、これまでの 3nm 世代比で性能向上と電力効率改善を狙う。
試作量産と歩留まりの課題
Exynos 2600 はすでにプロトタイプ段階での量産が始まっており、現時点で歩留まりは約 30%前後との見方が多い。開発体制では Samsung の Foundry 部門と System LSI 部門が協調し、歩留まり改善に注力している。
また、量産体制への移行を見据え、リスク生産(中規模試作)や歩留まり基準の確立が年末までの重要課題とされている。
性能見通しと仕様予測
ベンチマーク流出情報によれば、Exynos 2600 は 10 コア構成(1 + 3 + 6 構成)とされ、シングルコア/マルチコアのスコアはそれぞれ約 3,300 前後と 11,200 前後と報じられている。この数値は Snapdragon 8 Elite Gen 5 の下位動作版と近い性能域とされる。
GPU 側には独自設計の Xclipse 960 が搭載される可能性が伝えられており、従来の RDNA 系 GPU ではないアーキテクチャの採用も検討されている。
Galaxy S26 への搭載可能性と戦略
Exynos 2600 は、Galaxy S26 / S26+ 向け SoC 候補として名前が挙がっている。ただし、S26 Ultra モデルには Snapdragon 系が引き続き採用される可能性も報じられており、地域・モデルによる差別化戦略の可能性が指摘されている。
一方で、Samsung 内部でも、MX(モバイル事業部門)が Exynos 2600 を Galaxy S26 に採用するかどうか決定していないとの見方もある。
課題とリスク
試作段階での歩留まり不足、製造コスト、性能と効率のバランス、ワイヤレス通信モデムとの統合など、量産化に向けて越えるべき壁は多い。過去、Exynos チップでは歩留まり問題や性能・発熱面で苦戦してきた事例もあり、今回も慎重な進捗が求められる。