OpenAI、「ChatGPT Apps」機能を導入 チャット内でアプリ操作が可能に

AI・人工知能

OpenAIは ChatGPT に「Apps in ChatGPT(ChatGPT Apps)」機能を導入することを発表した。チャット上で外部アプリを呼び出して操作できる仕組みで、ChatGPT の利便性を大きく引き上げる可能性を秘めている。

ChatGPT Apps:チャット上でアプリと対話

ChatGPT Apps は、チャット画面上でサードパーティ製アプリを自然言語で呼び出し、直接操作できる仕組みだ。ユーザーがアプリ名を先頭に入力したり、ChatGPT が文脈から適切なアプリを提案したりする。アプリはチャット内に表示され、地図やリスト、スライドといったインタラクティブな UI を備えて応答することが可能である。

初期導入時点では、Booking.com、Canva、Coursera、Expedia、Figma、Spotify、Zillow が対応アプリとして提供される。これにより、例えば「Canva、ポスターを作って」といった命令だけで、チャット内でデザイン作業を始められる。将来的にはさらに多様なアプリが統合される見込みである。

開発者向け「Apps SDK」:構築環境と設計原則

この機能には、開発者向けの Apps SDK(プレビュー版) が用意されており、ChatGPT と連動するアプリを開発できるよう設計されている。Apps SDK は、ChatGPT がアプリの状態を読み取り、適切に応答を統合できるよう、モデルと UI 間のやり取りを補助するコンポーネントを含む。

SDK は “Model Context Protocol(MCP)” を拡張した設計を採用しており、外部サービスとのデータ連携、アクション起動、UI レンダリングなどに対応できる構成となっている。開発者は既存バックエンドを流用可能で、サインイン機能や認証処理も内蔵できる設計思想が示されている。

アプリの公開・モネタイズ計画

2025年内には Apps SDK を通じたアプリの審査・公開制度が開始される予定であり、開発者が自作アプリをユーザーに提供できるようになる。さらに、将来的なマネタイズ手段(課金機構・収益分配モデル等)も段階的に公表される見込みだ。

アプリは、ChatGPT Free、Go、Plus、Pro の各プラン利用者に対して、欧州地域を除く形で順次提供が開始される。企業・教育機関向け(Business/Enterprise/Education)への展開も後期段階で予定されている。

意義と懸念点:ChatGPT は「プラットフォーム」へ

ChatGPT Apps の導入は、ChatGPT を単なる質問応答エージェントではなく、日常操作インターフェースとして機能させようとする戦略の一環である。チャットを起点にして、予約、学習、クリエイティブ、検索などの操作を一つにまとめる試みといえる。

ただし、この構想にはいくつかの課題も伴う。応答速度と操作レスポンス、アプリ間データのセキュリティ、プライバシ管理、アプリの審査・信頼性保証、そして開発者への収益性が重要な焦点となるだろう。

ChatGPT Apps は、AI コミュニケーションの次の段階を見据えた試みであり、今後どのように普及・拡張されるかが注目される。

ガジェットとゲームが好きで、気になるニュースを自分の言葉でまとめています。
誰でもわかりやすく、読んで役立つ記事を書くことを目指しています。

KNOTをフォローする
AI・人工知能