Intelが2025年後半から2026年初頭にかけての投入を計画している次世代モバイルプロセッサ、開発コードネーム「Panther Lake」に関する詳細なラインナップ情報がリークされた。この新プロセッサは「Core Ultra 300」シリーズとして登場し、最大16コアのCPU構成と、最大5.1GHzのブーストクロックに達する可能性がある。また、内蔵GPUには新アーキテクチャ「Celestial」(Xe3-LPG)が採用され、グラフィックス性能の大幅な向上が期待される。
Core Ultra 300シリーズとして登場か
著名なリーカーからの情報によると、「Panther Lake」は「Core Ultra 300」シリーズとしてブランド展開される見込みだ。現行のCore Ultra 200Vシリーズ(Lunar Lake)やCore Ultra 200Hシリーズ(Arrow Lake-H)の後継にあたる。
今回リークされたSKUリストは主にモバイル向けのHシリーズやUシリーズ(薄型・軽量ノートPC向け)に関するもので、合計14種類近いSKUが存在する可能性が示唆されている。
Panther Lakeのリークされた主なラインナップ
リーク情報によれば、ラインナップは複数のコア構成に分かれている。特に注目すべきは、最上位モデルに「Core Ultra X」という新たなブランドが導入される可能性である。
- 16コア構成 (4P + 8E + 4LPE)
- Core Ultra X9 388H: 4 P-Core + 8 E-Core + 4 LPE-Core, 最大ブーストクロック 5.1 GHz
- Core Ultra X7 368H: 4 P-Core + 8 E-Core + 4 LPE-Core, 最大ブーストクロック 5.0 GHz
- Core Ultra X7 358H: 4 P-Core + 8 E-Core + 4 LPE-Core, 最大ブーストクロック 4.8 GHz
- 12コア構成 (4P + 4E + 4LPE)
- Core Ultra X5 338H: 4 P-Core + 4 E-Core + 4 LPE-Core, 最大ブーストクロック 4.7 GHz
- 8コア構成 (4P + 0E + 4LPE)
- Core Ultra 365: 4 P-Core + 0 E-Core + 4 LPE-Core, 最大ブーストクロック 4.8 GHz
ここで言うP-Coreは高性能コア「Cougar Cove」、E-Coreは高効率コア「Darkmont」、LPE-CoreはCPUタイルとは別のSoCタイルに搭載される低消費電力の高効率コア「Darkmont」を指すと見られる。
新アーキテクチャの採用
CPUコア
P-CoreにはArrow Lakeの「Lion Cove」から進化した「Cougar Cove」が採用される。E-CoreとLPE-Coreには「Darkmont」が採用されると見られており、IntelはLunar Lake(Core Ultra 200V)比で最大50%のマルチスレッド性能向上を主張している。
内蔵GPU
内蔵GPUは、Lunar Lakeに搭載された「Battlemage」(Xe2)から、さらに次世代の「Celestial」(Xe3-LPG)アーキテクチャに刷新される。リークされた最上位の「X」ブランドSKU(388H, 368H, 358H)は、12基のXe3コアを搭載すると噂されている。これはLunar Lakeの8基のXe2コアから50%増であり、アーキテクチャ自体の進化と合わせて、iGPUのグラフィックス性能が飛躍的に向上することが期待される。
製造プロセス
Panther Lakeのコンピュートタイル(CPUコア)は、Intelの最先端製造プロセス「Intel 18A」(1.8nm相当)で製造される初のクライアント向け製品となる。Intel 18Aは、次世代トランジスタ「RibbonFET」や裏面電力供給技術「PowerVia」を採用しており、電力効率と性能の大幅な改善が見込まれる。
まとめ
2025年後半から2026年にかけて登場が期待されるIntelの次世代モバイルCPU「Panther Lake」のラインナップがリークされた。最大16コア構成で5.1GHzに達する高性能に加え、新GPU「Celestial」(Xe3)を最大12コア搭載する「Core Ultra X」ブランドの登場が噂されている。最先端のIntel 18Aプロセスで製造されるPanther Lakeは、ノートPCのパフォーマンス、特に内蔵グラフィックス性能の基準を大きく引き上げる可能性を秘めている。