Apple、廉価版MacBookを2026年初頭に発売か。iPhone向けチップ採用で安価な筐体採用との噂も

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Appleが、現行のラインナップよりも大幅に価格を抑えた「廉価版MacBook」を開発中であるとの報道が強まっている。台湾の業界メディアDigiTimesなどがサプライチェーン筋の情報として報じたもので、教育市場で圧倒的なシェアを持つGoogleのChromebookに対抗する戦略的モデルと見られている。この新モデルは、既存のMacBook Airとは異なる新シリーズとして、2026年第1四半期に登場する可能性がある。

2026年第1四半期に新シリーズ登場か

今回の報道によると、Appleは低価格ノートPC市場、特に教育分野でのシェア拡大を喫緊の課題と捉えている。その解決策として、従来のMacBook AirやMacBook Proとは明確に一線を画す、低価格帯の新しいMacBookシリーズの投入を計画しているという。

発売時期は2026年の第1四半期と具体的に報じられており、プロジェクトがかなり進行している可能性を示唆している。パンデミック以降、教育現場でのリモート学習需要が急速に高まり、安価で導入しやすいデバイスの需要が世界的に拡大した。この市場でAppleは後れを取っており、新シリーズの投入は急務と判断された模様だ。

教育市場のChromebookに対抗

開発の最大の動機は、教育市場におけるGoogleのChromebookの圧倒的な優位性である。現在、世界の教育市場において、Chromebookは出荷台数ベースで約60%ものシェアを握っているとされる。シンプルな機能、クラウドベースの運用、そして何よりも導入コストの低さが学校機関に受け入れられた結果だ。

一方で、かつて教育市場で強みを持っていたAppleのシェアは低下傾向にある。MacBook Airは価格が比較的高価であり、iPadはタブレットという特性上、キーボード入力が必須となる学習用途ではChromebookの代替として完全には機能しづらい側面があった。

Appleはこの状況を打開するため、Chromebookの牙城を直接切り崩すための低価格なMacBookを投入する戦略に出たと見られる。

コストダウンの焦点はチップと筐体

廉価版MacBookを実現するため、Appleは大幅なコストダウン施策を検討していると見られる。その焦点は「筐体素材」と「搭載チップ」の2点だ。

金属ユニボディではない素材を採用か

現行のMacBook AirやProは、アルミニウムの塊から削り出す「ユニボディ」デザインが特徴であり、高い剛性と高級感を両立させている。しかし、これは同時に製造コストを引き上げる要因でもある。

廉価版モデルでは、この金属製筐体を見直し、より安価な素材(例えばポリカーボネートなどのプラスチック)を採用する可能性が指摘されている。これにより、製造コストを大幅に削減できると期待される。

MシリーズではなくAシリーズ搭載の可能性

最大の注目点は、Macの心臓部であるプロセッサだ。現在、Macには自社開発の高性能チップ「Mシリーズ」(M3など)が搭載されている。しかし、サプライチェーン筋からの情報として、廉価版モデルにはMシリーズではなく、iPhoneやiPadに搭載されている「Aシリーズチップ」を採用する可能性が浮上している。

Aシリーズチップは、Mシリーズと比較して製造コストが低いとされる。macOSはAシリーズチップ上でも動作するよう設計されているため(iPadOSとの技術的基盤の共有)、これをMacに転用することで、パフォーマンスを一定水準に保ちつつ劇的なコストダウンを図る狙いがあると推測される。

一方で、チップは「M3」を搭載し、筐体や他のコンポーネントでコストを削減するのではないかという逆の報道も存在しており、情報は錯綜している。

価格は700ドル未満?

価格については、一部で700ドル未満(約10万5000円)という具体的な数字も挙がっている。現行のMacBook Air(M3搭載モデルで16万円台から)と比較すれば大幅に安価であり、教育市場でChromebookと競合するための戦略的な価格設定と言える。

まとめ

Appleが教育市場のシェア奪還を目指し、2026年初頭にも廉価版MacBookを投入するとの噂が現実味を帯びてきた。この新モデルは、従来のMacBookの高級路線とは異なり、安価な筐体素材の採用や、場合によってはiPhoneと同系統のAシリーズチップを搭載することで、徹底したコストダウンを図ると見られている。

これまで「高価格・高性能」のプレミアム路線を貫いてきたAppleが、MacBookという中核製品でどのように低価格を実現し、教育市場という巨大なパイを切り崩しにいくのか。もし実現すれば、ノートPC市場の勢力図を大きく塗り替える一手となる可能性があり、今後の正式な発表が待たれる。

Sources

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