Intel は、次期クライアント向け CPU「Nova Lake」シリーズおよびサーバー向け「Diamond Rapids」シリーズで採用するコア設計を正式に発表した。Nova Lake には Coyote Cove(P-Core) と Arctic Wolf(E-Core) が搭載され、Diamond Rapids には Panther Cove(P-Core) が採用される見込みである。
Nova Lake の設計と狙い
Nova Lake はクライアント向け(デスクトップ/モバイル兼用)で展開される予定で、公表された ISA(命令セット拡張)仕様から、Coyote Cove P-Core と Arctic Wolf E-Core の組み合わせが正式に確認された。これは、前世代の Cougar Cove/Darkmont を置き換える設計と位置付けられており、IPC(命令実行効率)向上と性能あたり消費電力効率の改善が期待されている。
また、Nova Lake-S デスクトップモデルでは最大 52 コア構成も想定され、プラットフォームも新ソケット(LGA 1954)対応が検討されている。
Diamond Rapids におけるサーバー向け設計
サーバー用途向けの Diamond Rapids シリーズでは、Panther Cove P-Core が主軸として用いられる予定だ。サーバー用途では E-Core(効率コア)は採用されず、コア密度とスケーラビリティ重視の構成が見込まれている。加えて、一部リリースではハイパースレッディング(SMT)非搭載での展開がされる可能性が指摘されており、性能効率設計を優先した構成となる可能性がある。
今後の展望と注意点
これらの新コアアーキテクチャは 2026 年中に導入が見込まれており、Intel の CPU 世代交代のキーになる。一方で、新ソケットへの移行、プラットフォーム互換性、製造プロセスの歩留まり、安全性や性能安定性など、克服すべき課題も多い。特にサーバー用途での SMT の扱い、コア構成最適化、熱対策は注目点といえる。